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執筆者の写真澁谷 孝三

懐石料理と会席料理について

昨今、コロナ渦において外食の機会が極端に減り、自炊がメインの今日この頃です。


自炊と言っても凝った物では無く、いわゆるケ(日常的)が中心の食事になります。

出来上がった物を見ると忙しい時や時間が無い時などかなり淋しい食卓になったりします。


ふと昔、お寺参りの際に出された懐石料理を思い出します。

懐石料理の懐石と云うのは懐に石を入れると言う意味の様で、これは禅宗のお坊さんが空腹を一時的に忘れるために温かい石を懐に入れて胃を温めた故事から来ているそうです。

つまり懐石料理とは元々お腹が一寸温まる位の軽い食事だった訳です。


ところが今や、グルメの時代。テレビでも雑誌でも豪華料理のオンパレード。

滅多な事では手に入らない材料を使って外見だけ質素に見せた料理の代名詞にもなっているように感じます。


そして最近では会席料理とも呼んだりもしますが、これは懐石料理と同じ意味だそうです。あえて言うなら「茶道」では会席料理、「禅語」では、懐石料理との事だそうです。

とは言ってもこれ等にあまり縁の無い身としては本来の意味での懐石料理にほのぼのとしたものを感じます。


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