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執筆者の写真澁谷 孝三

昭和のアルバイト其の弐

シブヤです。

今日は若い頃に経験した印象に残るアルバイト其の弐です。

僕は、かつて大道具を専門とする工芸店で働いた事が有ります。主にTV,映画、舞台等の背景を制作する会社です。


その中でも特に思い出に残るのが京都の太秦にある東映撮影所での仕事です。

当時は今の様に太秦映画村等も無く、一般の人は自由に出入りは出来ませんでした。

その頃、ヤクザ映画の全盛期でとても活気に満ち溢れていました。

そこでは各場面に合わせたセットで酒場、街の風景、家の中、事務所などを組み立てていきます。中で仕事をしていると何処かで見た事のある俳優さん達が大勢移動して行きます。


最初は気になって、とても仕事になりません。

それでも何とか仕事をこなしてお昼時、近くの飲食店で昼食をとっていると、

店内では全身にホータイを巻いた血だらけの人が昼食をとって居たり、

時代劇に出演している大勢の人達が食事をしています。

当時、映画は2本立てで昼からは2本目のお色気路線のセットの準備に入ります。

色々セットを組んで居ると、ほぼ半裸の女優さん達が次の場面へと、駆け抜けて行きます。若かった僕は、又もや仕事になりません。毎日叱られてばかり・・・。

しかし人間の適応力は、凄くて、ここは非日常的な空間を提供する場所なのだ気づき普通に仕事が出来る様になりました。


人間の適応能力って凄いと感じさせられました。

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